歴 史
福岡県は九州の東北端に位置し、九州と本州を結ぶ交通の要衝を占めています。玄界灘、響灘、周防灘、有明海によって三方を海に囲まれ、筑紫山地、脊振山地、耳納山地などの山々、その間を流れる筑後川、矢部川、山国川などの河川と周辺に広がる肥沃な平野など、自然に恵まれた地域です。
また、古くから大陸文化の窓口として栄え、後漢の光武帝から与えられたとされる金印や朝廷の迎賓館だった鴻臚館跡など、アジアとの交流の深さを物語る出土品や史跡もさまざま。さらに、古代文化が栄えた大宰府は、九州の行政・軍事・外交を司ったところで、周辺にはかつての栄華をしのばせる遺跡も少なくありません。そのほか、元寇防塁跡や英彦山・求菩提山の修験道場の跡といった中世の遺跡も多く、水郷・柳川や秋月には近世の面影が色濃く残されています。こうした歴史をもつ福岡には、多くの祭りや行事があり、5月の博多どんたくをはじめ、九州の三大夏祭りとして小倉祇園太鼓と戸畑祇園大山笠、博多祇園山笠なども全国的によく知られています。
一方、このような歴史と文化に彩られた土地柄に相応しく、いち早く校友会の支部活動が活発に行われてきたのも、福岡の大きな特徴といえるでしょう。福岡県内には福岡、小倉、大牟田、若松、門司、戸畑、筑豊、八幡、久留米、田川の10支部があり、それぞれの支部が独自の活動を行いながら、相互に有機的なつながりをもってきたという経緯があります。これらの支部の中で最も古くから活動しているのが福岡支部（現・福岡市地域支部）で、創立は明治34年にまで溯ります。以来、母校翼賛・校友親睦のために数々の実績を積み重ね、昭和29年には第一回目となる全国校友大会が福岡市で開催されることになりました。その後、36年と61年にも全国校友大会を福岡市に誘致。特に、61年度全国大会は、県内支部が結束して主催支部に名乗りを上げ、合同開催を実現しました。これに併せて福岡県連合支部が発足。大会を成功裏に閉幕させた後も、毎年、県連総会を開催し、各支部の定例総会に県内他支部から多くの校友が出席するなど、地域を超えた交流を続けてきました。また、61年度・全国大会には隣国・韓国の校友も出席。これを機に、韓国同窓会と福岡県連支部との親善交流が始まりました。以来、毎年、福岡の校友が韓国同窓会定期総会に出席したり、韓国の校友と福岡で合流して全国大会に参加するといった交流を続けています。福岡支部に続いて、大正13年には若松支部が発足。以後、昭和2年に小倉支部と門司支部が、昭和5年には戸畑支部がそれぞれ誕生。27年に八幡支部が創設されたことで、北九州の旧5市に支部が揃い、これを機に北九州支部連合会が結成されました。以来、12年間にわたり輪番制でさまざまな活動を展開。30年に発足して同連合会に参加することとなる筑豊支部が主催した支部対抗水泳大会は、よき思い出として今なお、当時を知る校友の語り草となっているほどです。大牟田支部は昭和5年に創設され、36年に福岡支部の地方支部として誕生した久留米支部は、55年に福岡支部から独立。両支部は筑後地方にあり、それぞれが独自の事業に取り組んだ結果、地域社会で明治のブランドバリューを高めることになりました。平成8年に田川支部発足し県内10支部となる。現在、福岡県支部の校友は、約5000名。転勤族も多く、会員の入れ替わりが激しい面もありますが、各地域に根差して活躍する校友が核となり、新入会員を温かく迎え入れ、転出者をよき思い出とともに送り出すといった具合に、情に厚い交流を続けています。
また、福岡県はスポーツも盛んで、県出身の校友の中には、プロ野球やJリーグ、また、実業団チームなどで活躍している人も少なくありません。文化・芸術の分野でも、俳優の高倉健氏に代表されるように、さまざまな人材を輩出しています。中でも、明大マンドリン倶楽部の創設者の一員で、のちに不朽の名曲を数多く作曲し、日本の歌謡史上に偉大な足跡を残し国民栄誉賞に輝く故・古賀政男氏が地元（大川市）出身であることは、福岡県支部の校友にとって大きな誇りとなっています。平成16年は、その故人の生誕100年にあたり、地元・大川市では「古賀政男生誕100年祭」として、華々しくイベントが開催されました。
また、平成16年10月10日、福岡市のシンボルエリアともいえるシーサイドももちの「シーホークホテル＆リゾート」で全国校友福岡大会が開催されました。第40回という節目となった大会は、講談「古賀政男物語」や博多祇園山笠、古賀メロディーの演奏といったアトラクションで、全国の校友の皆さまをお迎えすることが出来ました。
（第40回 全国校友福岡大会記念誌より抜粋）